藤猛さんが日本で一番初めにデンプシーロールを体現していた話。

レジェンド

貴方はデンプシーロールという技術を知っていますか?

はじめの一歩の主人公である『幕の内一歩』が使っていましたよね。上半身を∞の軌道で振り続け、そして身体の重心が前になった時に左右のパンチを出すという技術。元ヘビー級チャンピオンだった『ジャック・デンプシー』が使っていた技術です。

画像出典元:『twitter』

...当時のボクシングはまさに拳闘と言った感じで、とにかくレフェリーのストップが遅い。それに倒れた相手が立つ前に再び猛攻を仕掛ける場面がありましたから、いかに危険なスポーツだと言う事が分かります。

デンプシーは1895年6月24日産まれですが、引退後は米軍として司令官になった事もあり、第二次世界大戦時には沖縄を侵攻する輸送機に乗船していたようです。



...話は戻りまして。あまりこの技を使っている選手はいないですよね。というのも、デンプシーロールを使用すると、カウンターを合わせられやすいために、自然と使うファイターが少なくなったという経緯があります。

藤猛さんが日本で一番初めにデンプシーロールを体現していた話。

日系三世でハワイで産まれた藤猛さんというファイターは60年代に戦った元WBAジュニアウェルター級世界チャンプなのですが、ハードパンチャーで有名でした。

いや、私はその年代にボクシングを見ていなかったのですが、飲み屋のおじさんに教えて貰って知りました。動画を見ると、エグイエグイ。バンバン相手をなぎ倒していました。

藤猛さんの試合は、YouTubeで見ることが出来ます↓(検索済み)

藤猛さんは元々米軍の海兵隊所属で日本に駐留しており、そしてアマチュアで活躍していた選手でした。ネバダ州大会で優勝するなど実績に申し分なく、力道山が開いたリキジムに呼ばれる事となります。

そしてそのジムにトレーナーとして『エディタウンゼント』という人物がハワイからやってきていたのですが、何故エディさんが日本に来たのかと言うと、力道山が力士時代の時のハワイ巡業で知り合ったそうです。なるほどですね。

いやー、エディさんは赤井英和さんや井岡弘樹さんのトレーナーでもありましたよねー。私が中学生の時に、エディさんの本を買って貰って見ていた記憶があります。

そんな事はさておき、藤猛さんはアマチュアでの戦績が豊富(123戦116勝16敗)だという事で、B級のプロテストを受ける事になり合格。最初から6回戦スタートしています。ハンマーパンチと言われ、相手に恐れられたハードパンチャーとして有名になりました。

そして藤猛さんがデンプシーロールを完成させたのは、東洋ジュニアウェルター級タイトルマッチを争った時の事だと言われています。相手はロッキー・アラーデという選手。という事で、当時の映像を探してみたのですが発見できず。

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代わりにジャックデンプシーの映像をご覧ください。

引用元:『youtube(The Modern Martial Artist)』 

藤猛さんは日系三世で日本語があまり話せない人だったようですが、当時日本で人気があり、視聴率も40%越えだったと言われています。それは、世界奪取した時に藤猛さんのお婆ちゃんに対し、「岡山のお婆ちゃん見てる?」というコメントをしたからだそう。

「大和魂」という言葉も使用した事から、国民的ヒーローになったようです。お婆ちゃんはハワイ在住だったらしいのですが、当時は岡山を訪れていたそうな。

そんな藤猛さんは2015年から東京馬込のエルコンドルベロスジム特別トレーナーとして活動しているようですね。とあるインタビュー(平成元年)にて、日本人のヘビー級について話しているのを聞いた事があるのですが、その話によるとお相撲さんのような体型の根性ある人間を育てたいと言っていましたね。

藤猛さんの通算戦績は38戦34勝(29KO)3敗1分です。

...昔のボクシングの試合動画ってなかなか見れないですよね。一気に見れたら効率が良いのですが、まあ素材を持っている人が少ないから仕方がありません。見始めたら今現在の技術と差があるように思えますが、スタミナはえげつないですね。

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